…嬉しかったんだ。
彼女はいつも『俺』じゃなくて、
ありのままの僕を見てくれていたから。
でも…
人間の変わる事の悲しさを、
僕は垣間見てしまった。
麗華は僕と付き合いだしてから変わった。
電話やメールをしてくる内容が…
『ねぇ!
Kyo、今度ドラマやるんだって!?
すごいっ!
それでさ…私にチョイ役でいいから、
…回してくれない?』
『今度新曲出すんだって!?
ねぇ…私出してよっ!
絶対いい仕事するからさぁ!』
そんなメールばかりになった。
2人きりで久しぶりに会った時も、
そんな話ばかりだったけど、
麗華が仕事を楽しんでるって思ってた。
僕も麗華の応援が少しでもできるなら―…
ってドラマに出したり、
PVに出演させるとか麗華の言うとおりにした。
そしてその甲斐あってか、
麗華は売れっ子のアイドルになって
僕が助けなくても、仕事がいっぱい入るようになった。
そして―…

