Kyo「るりかちゃん、
かわいいねーこのペンギン!」
るりか「ほんとだぁ~かわいいねぇ!」
キャッキャと笑うKyoとるりかちゃん。
…まるで兄弟みたいな二人。
るりかちゃんを肩車してるのが、
アイドルのKyoだなんて、
…誰も知らない。
私はそれがなんだかKyoと、
私だけの秘密みたいで少し嬉しかった。
ふとペンギンの水槽を見ると、
いっぱいいるペンギンの中に私みたいなペンギンがいた。
泳ごうか…
やめようか迷ってる。
それはKyoが好きだという気持ちを、
抱えてどうしようか迷っている自分みたいだ。
私は迷ってるペンギンの前に立って、
ガラスにそっと触れた。
ねぇ、あなたも迷っているの?
私もね、迷っているの。
Kyoには私の気持ちは、
負担でしかないんだから。
この世界の生活は…期間限定なんだから。
私は…
私はただの同居人だから。

