アイドル逃亡中!




しばらく黙っていると、


Kyo「じゃぁ進むよ?」


と言ったので、
私は返事の代わりにコクンと頷いた。


すると怖がる私のペースにあわせて、
Kyoはゆっくり歩いてくれた。



物音がしたり、
声がするとビクッとする私に、
大丈夫だよって時々…


…耳元で囁きながら。


しっかりと手を握りしめて…。


私は怖かったから
目を閉じたまま歩いていたけれど、
なんだかお化け屋敷より…


…Kyoの男らしい手の感触にドキドキして…。



耳元で聞こえるKyoの声が、

いつもより低くて…
男っぽくて…

…ドキドキして。



ドキドキしてる私は、
まるで心臓が服を着て歩いてるみたいで…


体が心臓になったみたいで…。



ドキドキが止まらなかった。