その時、携帯の画面が鮮やかな七色にピカピカと光った。
がばっと起き上がりニコは携帯を握る。
「返事だ…!」
ごくり、と聞こえるぐらいの音を立てて唾を飲み込み、携帯を開く。
未読メールが二通。
「2通…?」
わなわなと震える手でメールを開く。
どちらも
『無題』
と、表示されている。
両方違うアドレスだった。
しかし、どちらも見覚えのあるアドレス。
「2人から、メール、来た…」
メールの受信時刻はどちらも同じ時間を表示していた。
そんなことで少しニコは力が抜ける。
ふふっ、と笑い、
一通目のメールを開けた。
『ニコちゃん(*^_^*)
ひろしだよ!
こちらこそよろしくね(*^_^*)』
『ひろし』からの返信だった。
縦に並んだ顔文字がニコの力を更に緩めた。
「はは、可愛い」
ニコは笑いながら、お礼を含む内容のメールを打った。
文末には『よろしく』と絵文字を入れた。
そしてニコはもう一通のメールを開いた。
『俺?ヒロミ。そっちは?』
BOXのメッセージ同様味気ない内容。
顔文字もない。
一旦抜けた力が再びニコを強ばらせた。
「なんか恐い人だな…」
ひろしのメールが馴染みやすかった分、『ヒロミ』と名乗る男からのメールにニコは少しの嫌悪を感じた。
しかし、やはりメッセージを見た時同様、
何かがニコの胸にひっかかる。
ニコはゆっくり返信をした。
