『パスワードを入力して下さい』


無機質な黒い画面がニコに語りかける。



n i c o



ゆっくり、確実にニコは指を動かす。


「大丈夫、大丈夫」

その数秒間も呪文は続く。




携帯の画面が新しいページを開く間、
たったちょっとの間も、ニコにとっては何時間にも感じた。



そしてようやく、
新しいページが開く。








「えっ…」








自然と漏れたのは驚愕のセリフ。
そう、そのページの一番上に記された一文は


『ボックスは未読のメッセージで満杯です。』


だった。