「ちょっとあたし出るね」

「大丈夫?華奈子…」

「うん」




体育館を出た私は
校内をうろうろしていた。

窓から見える空は
もう薄暗くなっていた。




「何やってんだろ、あたし」





窓から少し
外の空気を吸っていた


涼しい風が
濡れた頬に触れて
冷たく感じる







「飯島くんっ」




浸っていると
校舎のどこからか、
可愛らしい声が聞こえた



なぜか


私はとっさに隠れた。



「今ちょっと…いい?」

「あぁ……」



見知らぬ女の子と


飯島真だった。



「うわ…絶対あれ
 告白じゃん……」



心臓がうるさく鳴っている

声だけが聞こえるその距離は
動くに動けなかった。