中庭に観客が集まってきて
あたりが賑やかになった。
アップテンポな曲が流れて
私達の練習の成果が披露される。
出番を終えた私の視界に
彼がいた。
「頑張ってね」
少し緊張気味にしていた飯島の
背中を軽く叩いた
「――っ!!びっくりした…」
「あはは」
「…ありがと………
お疲れ、岩崎」
「うん」
本当に
本当に他愛のない会話なのに
どうしてこんなにドキドキして
嬉しくって
胸がきゅんってなるんだろう
見つめる先に
あなたしか見えていない
そんな景色は
眩しくて
だけど
遠くて
黄色い歓声があなたに飛び交うたんびに
手に届かない気がする


