トイレに行こうとしていた私
引き止めた彼は
私を好きだと言った。
「無理だよね…?
ごめん!急に。」
「……………うん。
ごめんね…?」
「いや、謝んないで」
「あ…………うん。」
こんなに素敵な人を
私はふってしまったのだと
心が無性に痛んだ。
クラスの皆と解散して
早朝の駅前は静かだった。
「岩崎」
「ん?」
帰る方向が一緒だった飯島は
私の一歩前を歩きながら
話しかけてきた。
「桐山に告られたっしょ」
「――――――っっ!」
「ふっ…………」
誰にも見られていないと思ったら
1番見られたくない人に
見られていた。
驚いた。


