もちろん、飯島も。
カラオケに向かう途中
ポニーテールにしていた私の髪を
突然誰かが軽く引っ張った。
とっさに振り向くと
笑いをこらえる飯島だった。
「ぴょこぴょこウザい、これ」
「なっ―――!」
顔がほてってきた
上から見下ろされて
今だに私の髪を
犬の散歩綱のように
振り回していた。
「もぉーっ、飯島!」
「はははは
わりぃ」
髪を離した手は
私の頭をぽんと叩いた
先に行ってしまった飯島を
ただただ見つめるだけ
「ひゅ~
か な こ ♪」
耳元でめいが冷やかした
「うるさいな~」
私は、
にやけて仕方ない。


