電車が私達の前に止まった
騒がしい音だけが響いた


私の心の叫びもかき消して
どこかへ捨てていってよ





「…泣いてんの?」


「え………………」



ほら、また
君といると安心して
自分が出ちゃうんだ


「…………ごめん」

「別に…謝んなよ」

「…………ごめん」

「……………ふっ」




『ドアが閉まります。
 駆け込み乗車は―――』



ねぇ





分からないよ







「お前が泣くと



 やっぱ




 守りたくなる…」





そう言って私を






抱きしめていた








君は








君の心には







誰がいるの