ずっと前から好きだった



「真、お前
 もう違う女を
 好きになったのかよ」

「……………。」

「華奈子ちゃんも
 翔弥の事忘れるの
 はやくね~?」


嫌みっぽい口調で
そう言った、瀬野という男は
飯島に近づいて行った。


「真、お前は一途な奴だと
 思ってきたけどよ。
 お前も俺と変わんねえな。」


意味深な言葉を残して
私の方を見た。


「なぁ、華奈子ちゃん。
 こいつなんかより
 俺と一緒にいようぜ?」


私の手首を掴み
力強く握ってきた。




痛い



手首も




心も





『――――お前もう違う女を
 好きになったのかよ―――』




どういう意味?