ずっと前から好きだった



「今日めっちゃ星
 綺麗だな」

「明かりが無ければ
 もっと見えるのにね」

「山の方行ってみてぇな」

「あたしも思った」


私達はどうやら
星が好きみたいだった。

駅に向かいながら
たくさんの星を見つけて
たくさん笑って


だけどそれでも
カップルではない。


付き合うって

本当に特別な事なんだと
しみじみ思った。


そして、
幸せを裂く人だっている。

いつだって幸せとは限らない



「華奈子ちゃん。
 翔弥の次は
 こいつなの~?」


突然後ろから腕を引かれて
目が合ったのは、
例の奴だった。

終業式の日の、奴。


「―――――っ!」

「華奈子ちゃん
 なんで俺じゃないの?」


顔を寄せてきた奴は
私と飯島の距離を離した


「瀬野…………」


飯島はそう言葉を発した。