ずっと前から好きだった



なぜか飯島の目が
キラキラしていた
興味津々だというように
私に近づいてきて


「芸能人なんだな!」


そう言って
一人で興奮していた。


私はてっきり
冷たい目で
見られると思った。

私みたいな分際で
普通の高校生が
今だ誰にも言わずに
事務所に入っているなんて


『お前が芸能人?
 その顔で?お前が?
 ありえねえ』


ぐらいに言われると思った




「飯島…あたし
 まだデビューも何も
 してないから…
 芸能人じゃないよ」

「あ、そっか。
 でも……ここの事務所に
 入ってんだろ?
 すげえ………」

「凄くないよ。
 あと…絶対誰にも
 言わないで」

「わかってる」



飯島は涼しげな優しい目で
笑いかけてきた




「お互い秘密知ってる
 って事だな」

「…お互い?」

「ひなの兄は俺。
 お前は事務所に入ってる。
 お互い誰にも
 知られたくない秘密だろ?」


そう言い残して
ひなちゃんを連れて
部屋を出て行った