ずっと前から好きだった



夏休み中旬
私は事務所に行った

事務所のとある個室で
ボイストレーニングを
するためだった。

ボイストレーニングに
そんな特別な部屋は
別にいらなかった。



基礎を積み重ねて

だけど納得のいく自分の声は
でたことがなかった。
小6のここに合格した時から

自信はほとんど
失われていた。



そんなとき
扉を叩く音がして
少女が入ってきた


「あのー」

「………………!!」


突然入ってきたその少女は


片瀬ひな


という芸名の


飯島ひな


飯島真の妹だった。


「ひ…ひなちゃん?」

「はいっ!」


キラキラした笑顔で
こちらに歩み寄ってきた


「どどどどうしたの!?」


明らか動揺を隠せない私に
ひなちゃんは笑った


「華奈子さんウケる」