ずっと前から好きだった



「華奈子さ、俺が
 今日予定あるか
 って聞くといつも
 断る時にお前は
 眉間にシワ寄せてんだよ。
 俺といるといつも
 悩んでるような、
 辛そうな顔する」



「……………。」


「飯島といる時のお前は
 素直に幸せそうだった。
 俺には見せない笑顔。」



そう言って私の顔を
一瞬みて、翔弥は
眉を下げて笑顔をみせた


「俺じゃ、
 華奈子の悩みを
 解決できない。
 だけど、あいつは…
 飯島は華奈子を
 幸せにできると思う。

 俺には…。
 華奈子の心に秘めた思いを
 探ることはできない」



家まで送るよ

そう言われて私達は
歩きはじめた。

中学の時からこの道を
二人並んでよく歩いた

暑くても寒くても
寄り添って手を繋いで
二人で歩いた道


今は


この距離が


今を物語っていた