ずっと前から好きだった



「離れろ」


私の視界から奴が
消えたと思うと
目の前に男の人がいて
奴を一発殴っていた




「翔弥………
 もうお前の彼女じゃ
 ねぇんだよ。
 入ってくる権利はねえ」

「権利とかそんなんより
 華奈子が嫌がってんだろ」


彼はチッと舌打ちをして
立ち去って行ってしまった。





「翔くん…。」




こちらを振り向いた翔弥は
私の乱れた制服を直してくれた



「……大丈夫…?」

「うん。」





神様は意地悪だね

どうしてここで
翔弥なんだろう


飯島だったら迷わず
好きになってたりしたのに


素直になれたのに



心の中のモヤモヤは
エスカレートするばかり