「ねえねえ」
「………?」
「アドレス教えてよ」
短髪オラオラ
明らか女慣れしていそう
いわゆるチャラ男
斜め前の席の男子
「ちょー可愛いね」
「いや…別に」
「彼氏いんの?」
「うん」
「うゎあ
まじか。残念!」
「……………」
逃げたい
ストレス
こうゆう系
無理。
「お前チャラい」
低くけだるい感じの声。
隣の席の人だった。
細くて背が高い、
だけど筋肉があって
ワイシャツがよく似合う
「真かよ~。
邪魔すんなって」
「だって困ってんじゃん」
「え、困ってた?」
「……………え」
「ほら困ってる」
涼しげな顔で私を見た。
見下ろす感じで
少し笑みを浮かべて
その不思議な雰囲気に
引き込まれそうで
目が離せなくなっていた


