「泣いてるあたし見ると?」


面白おかしく聞いたら
飯島は立ち上がって
私の頭に拳を軽くあてた


その場を立ち去ろうとする
飯島は、ふと立ち止まって
またこちらを振り返った。


そして私を見て言った。



「もう絶対あんな事
 しないから…。


 それと………。


 泣いてるお前見てると


 ………………。



 守りたくなる……」



そう言って立ち去った。



同時にチャイムが鳴り
後を追うように
私もその場から立ち去った。





胸がいっぱいだった。




すごくドキドキした。




飯島にとっての私
私にとっての飯島



分からない事だらけの
この状況に
幼かった私には

気持ちに嘘を
つく事しか出来なかった