どうして私を
みてくれないの

どうしてそんなに
悲しい目をするの




「どうして…
 別れるなんて
 言ったの」

「…………。」


ただ立ち尽くす翔弥を
私はただ見つめた。
だけど私を見ることはなく
時間だけが過ぎていく。


「翔くんっ」


私が翔弥の腕を掴むと
反射的に翔弥が
私を見てくれた。

だけどその目には
優しさとかなくって

前と違くって

切なくって


そんな目を見たら
胸の苦しさが増した。


泣きたかった


泣けなかった



泣いたら



聞きたい事が
聞けない気がしたから