「なんか、遠くに感じた」


目を細めて
切ない表情になる君。



「舞台にいる岩崎は
 学校にいた岩崎と
 別の人に感じた。」


「…………………。」


「いなくなって気づいて、
 誰かに言われて気づいた。」



「……………うん。」




「気づくのが
 遅すぎたかもしれない。
 でも………聞いてほしい」


「うん」











「ずっと前から好きだった」








大好きな人の

何年も待っていた言葉が




頭の中でリピートして



何度も何度も
聞こえてくる。






「入学して、初めて
 岩崎の存在を知った時から
 俺の中は、秋穂よりも
 お前しかいなかった。」


「うん………」





涙が溢れ出た。



嬉しくて嬉しくて

止まらなかった。