止める事のできない時間
むしろ今は
早く過ぎてほしいと思った
早くあなたのいない環境に
なれたいと思った。
「あきちゃんバレンタイン
何作るか決めた?」
「うーん…真は
甘いの好きだから
とことん甘いもの尽くしとか」
「甘いの好きなんだ」
「だって一時期買い弁の
パン、全部菓子パンなの。
健康に悪いよね」
そう言ってニコニコ笑う
あきちゃんはとても
幸せそうだった。
うまくいってるんだって
確信した。
「かなちゃん好きな人いないの?」
「…………うん。」
「可愛いのに…
彼氏いないのが意外だなあ」
「そんなことないって」
私の知らない飯島を
あきちゃんなら知っている
甘いものが好きっていう
一つの情報が、自然と
私の中に入りこんでくる。


