「最近、元気なくね?」
私の前で微笑みかけるのは
かっちゃんだった。
まだバンドを
結成したわけではない。
名前もまだない。
だけど
魅麗さん、迅さん、かっちゃんとは
親交を深めていた。
今日はかっちゃんと二人で
事務所近くのカフェで
放課後デートのように
学校帰りのスタイルのまま
お茶をしていた。
本当に
カップルにみえるだろう
「いつも通りだよ」
「そう?」
今日は黒ぶちの眼鏡をかけて
いかにもインテリ風だが
実際、そんなに頭の良い
高校を卒業した訳でもなく
大学は決まったものの
ろくに学校にも行かず
裏の顔はドラム命の
バンドマンだ。
「イジメられたの?」
悪魔の様な笑みで
こちらをみた。


