事務所の廊下を
4人で賑やかに歩いていた



「あ………」



私は声を漏らした



視界に彼がいたから。





「岩崎じゃん。
 よっ」


片手をあげて
私に笑いかけてくれた。




飯島の好きな人の事を聞いて以来
あまり話さなくなっていて


自分からなぜか
遠ざけていたから


なんだか新鮮な気持ちになった



「かなちゃんの知り合い?」



顔を覗き込んで
綺麗な顔で微笑む女神

魅麗さんは
外で待ってるね

と私と飯島を二人にした。



「さっきの3人って…
 事務所入ってる人?」

「あぁ、うん。
 そうだ!あたしね
 もしかしたら
 デビューできるかも」


「えっ!まじ?」


興奮したのか、
私の肩を両手で掴んで
ゆらゆらと揺らした。
きらきらした笑顔で
自分の事のように喜んでくれた


「よかったな!
 てか、すげぇよ!」



「興奮しすぎ、飯島」


「あ、わりぃ
 でも…だって
 お前の夢だったんだろ?」


「うん」