2月14日

バレンタイン



その日


雪が降っていた





私は




眩しすぎる世界をみた。







「デビューが決まりそうだよ」




口をあんぐりと開けて
私は固まってしまった。





「かなちゃんの反応
 楽しみだったんだよね」



大きな声で笑う佐々木社長




「かなちゃん」



「はい!」




「ひとつ、いいかな」

「なんですか?」

「かなちゃんは
 ソロで出たい?
 それとも僕的には
 バンド…なんてのも」


「バンド…。」


「ずっと温めていた
 バンドメンバーがいる。
 だけど重大な
 ボーカルがいなくてね。
 一度会ってみない?」


「あ、はぁ…」


思ってもいなかった
バンドと言う言葉に
戸惑いを隠せなかった。


内心


バンドなんてのも

興味があったりした。