「てめぇそれでも生徒会長か」


「そうですけど何か?」


「ウチの会長とは大違いだって言ってんだよ」


「人それぞれ個性ってもんがあるの。いーからほっとけよ」


「屁理屈ばっかこねやがって!いい加減にしろよテメェ」


「聞こえなかったか。ほっとけって言ってんだよ」



メンバー達は昨日、圭吾が言っていた『喧嘩を楽しんでる』の意味が少しわかった気がした。

今日の言い争いは昨日までのそれとどこか違っていた。

いつもなら間にさっと入る奈々花と真琴だが、今回ばかりは止めに入る事ができずオロオロしていた。



そこへ、ちょうどお使いから戻ってきた圭吾が呆れた顔で立ち止まる。



「またやってんのかオマエら。外まで聞こえてんぞ」


「進堂くんがお母さんみたいな事言うから、つい苛ついちゃった」



気づけばいつものふざけた耕平に戻っていたが、その場の空気を察した圭吾が耕平を広間の外へと誘い出す。



「んだよ」


「いいから来い」


こちらもいつもと調子が違っていた。