「ちょっと会長、こんな所で堂々とサボんないで下さい」



あの後すぐ広間に顔を出し、仕事を始めたはいいが昨日と違い、いつも通りダルそうにしている耕平を奈々花が雄介の目に留まる前に注意する。



本日もまず仕事を片付けてからの自由行動だった。



「俺がいてもいなくても一緒だろ?だったらいーじゃん別に」



耕平のやる気のなさはいつも通りだが今日はそれだけではなく何だか重い空気をまとっていた。



「テメェ、サボってんじゃねぇぞ」



自分の部屋から資料を持って戻ってきた雄介の目にダルそうにソファにうなだれる耕平の姿が映った。



「俺の仕事は終わってんだよ。今はプライベート」


「ふざけんな!終ったんなら他を手伝えよ」



全く悪びれない耕平の様子に雄介は苛立ちを感じた。



「何で他人の仕事まで俺がやらなきゃなんねぇんだよ。テメェの仕事はテメェで片付けろや」