「お帰りなさいませ」



玄関のドアが開き中から使用人らしき人が奈々花を出迎えた。



「ただいま」


「お帰りなさい奈々花さん」



長い階段の上から、どこかの女優のように綺麗な女性が降りてきた。



「ただいま、冴子さん」



奈々花の後ろに立ち、呆然としている生徒会メンバーに、冴子さんと呼ばれた女性が視線を移す。



「新しい生徒会の方々です」


「そうですか。奈々花がいつもお世話になっております」



深々と頭を下げるその女性をお母さんにしては若いし、お姉さんにしては離れているなぁと、いろいろ考えを張り巡らせていた一同は慌てて頭を下げた。



「あら耕平さん、お久しぶり」



一人軽く頭を下げただけの耕平に、目が止まった冴子が微笑みかける。



「お久しぶりです、冴子さん」



いつもの耕平からは想像出来ないきっちりした挨拶に、一同は一斉に最後尾の耕平を振り返った。



「…んだよ」