「たく、奈々花のやつこき使いやがって」


「あんな別嬪さんにこき使われるならええやん」


「誰が別嬪?」


「ななチャンや、ななチャン。オマエ、ななチャンの事どぉ思ってんの?」



珍しく真剣な顔をした耕平は少しの間、黙り込んだ。



「…真面目な眼鏡?」



耕平の解答を期待して待っていた圭吾と歩がコントの様にガクっと頭を下げた。



「もっと言い方あるやろ、怒られるぞ」


「おれ、あの眼鏡って絶対男よけだと思うんですよね」


「は?」


「伊達っすよ、あれ。漫画じゃないですけど、眼鏡外すとより一層美人ですもん」



偶然知った事実を歩は得意げに披露する。



「へぇ、一途やなぁ」



奈々花の気持ちに薄々感ずいていた圭吾と歩が耕平を見てニヤニヤする。



「キモいんですけど」