｢さっきからギャーギャー、ギャーギャーうるさいんですけど｣



時、既に遅し。



歩が戻ってきた時には、昼寝を邪魔されてすっかりご機嫌ななめの耕平が向かい合う野球部とサッカー部の喧嘩のど真ん中に立っていた。



｢部外者は引っ込んでろよ｣



中心にいた野球部とサッカー部のキャプテンが耕平をスルーしてお互いを睨む。



｢昼寝の邪魔すんなって言ってんのがわかんねぇのか｣



低血圧で寝起きの悪い耕平がものすごい形相で威圧的な声を放つ。

さすがにもう耕平を無視できなくなった両キャプテンが、自分に視線を移したのを見て耕平が続けた。



｢だいたいスポーツマンならスポーツマンらしくスポーツでケリつけろよ。それとも喧嘩がしたいならオレが相手になろーか？｣



中学時代の耕平は人よりちょっと有名で、その手の噂が絶えなかった。