「生徒会の仕事と部活の部長の兼任じゃ大変じゃないですか?」



何かできる事があれば言ってくださいと申し出る奈々花。



「ありがとう。だけど体力には自信があるから大丈夫だよ」



真琴がニッコリ笑って見せた。



「気掛かりは新入生だな」


「そうなんだよぉ、合併して安泰だと思ってたら何で晴陵には女子剣道部がないんだよぉ」



雄介の言葉に真琴が声をあげてうなだれる。



「天陵は女子の部活動も盛んですもんね」


「晴陵の女子部は文系が多いっスからね」


「女子剣道部は今年、部として成り立つギリギリの人数しかいないから肩身が狭いんだ」


「そうなんですかぁ…。新入生たくさん入るといいですね」


「うん!勧誘気合入れて頑張るよ」



珍しく自分の悩みを打ち明ける真琴を皆、優しく見守った。