「オイ、ちゃんと話す内容考えてきたんだろうな？」



いよいよ出番だという時に、雄介が不安な表情を浮かべる。



「んなもん考えてくるモンじゃねぇよ。その場のノリだよ、ノリ」


「ノっ…」




『次に、生徒会の挨拶です』




マイクから司会進行役をしていた奈々花の声が流れ、耕平は絶句した雄介の横を通り過ぎてそのまま壇上へ上がった。

それに続いて真琴が上がり、他のメンバー達も二人の後ろへと整列した。



「会長の椿 真琴です。何かと至らない点が多いと思いますが、生徒の代表として学校での生活をよりよい環境にしていきたいと思っています１年間よろしくお願いします」



真剣で力強い真琴の挨拶に生徒から拍手が送られた。

いよいよ、雄介の１番の不安要素である耕平にマイクが手渡された。



「えー。同じく会長の嶋田です。高校生活、悔いの残らないよう精一杯過ごす様に！」


「お前は校長か！」



耕平の挨拶に思わず後ろからつっこんだ圭吾によって講堂は笑いと拍手が混合していた。