ぶつぶつ言いながらも原チャを押し、バス通学の真琴をバス停まで送る。



「あのさ、どうして雄介にだけあんな喧嘩腰なんだ?」



耕平は人とけして自分から馴れ合うことはしないが敢えて敵対することもなかった。

他とは順応しているのに雄介にだけというところに真琴は疑問を抱いていた。



「……別に。ただ反りが合わねぇだけだ」



原チャを押す耕平の後ろを付いて歩く真琴のストレートな質問に、耕平が極りの悪い顔をする。



「ホントか?」


「っせぇな。ホントだよ、ホント」


「ふーん」


「ホラ、着いたぜ」


「あ、丁度バスが来た。送ってくれてありがとう」


「おう」



しっかりと目を見てお礼を言った真琴に背を向けると、耕平はヒラヒラと手を振り原チャにまたがった。