「ウチの会長とは昔から知り合いなんスか?」



歩が挙手で質問する。



「耕平とは中学時代の喧嘩仲間や。若気の至りってやっちゃな」


「そんなカワイイもんかよ。オマエらの噂は俺らの学校まで届いてたぞ」



いつの間にか圭吾の背後に立っていた雄介が腕を組み、窓際にもたれ掛かる。

耕平との言い争いは一応、奈々花と真琴の仲裁のおかげで収拾したらしい。



「いややわぁ雄ちゃん、自分の事棚に上げて」



「……うるせーよ」



バツの悪い顔をする雄介を見て圭吾が楽しそうに笑う。



「はーい、雑談はそこまで。今は春休み明けのオリエンテーションの準備が先」



真琴が皆の注意を引くために手を叩き、声を張る。



「会長達はこれに目を通して下さい。進堂くんは私と舞台の下見に、会計の二人はこれを部活の数だけコピー、書記は文書作成お願いします」



真琴の声で静まったところに奈々花の的確な指示がとぶ。



優しいが男勝りな真琴と厳しいが女性らしい物腰の奈々花は正反対のいいコンビだ。


このコンビには誰も逆らう事はできず、各々仕事へ向かう。