「さっきのは日頃世話になってる礼でこれは…」



言いかけて真っ赤になる。



「は…早く受け取って」



どんどん顔の温度が上がるのを感じて真琴が握りしめたチョコレートを突き出す。



「握り潰す気かよ」



そう言いながら雄介は見たことないような可愛い笑顔を向けた。



キラキラ眩しい晴い天の下で一瞬見たその笑顔を真琴は聞き覚えのあるその言葉と一緒に何度も思い浮かべた。