部屋でまた溜め息をつく。



(悩んでても仕方ない!貰えないならこっちから渡すッ)



歩はチェックのダウンを羽織ると部屋を飛び出した。



(逆チョコ万歳!!)



つい昨日までバカにしていた逆チョコにお礼を言うと、歩は勢いよく玄関のドアを開けた。



「きゃッ」



同時に小さな悲鳴が上がり、ハートの形をした箱が晴い天の下に転がった。



「梨央…ちゃん?」