「話してたんだよ、そいつら。笑いながら」



「気付いたらそいつらボコボコにしとった。相手は何で殴られたか察しよったみたいで訴える事はせんかったから、ただの不良同士の喧嘩で済んだけどそれを偶然居合わせた教師に目撃されとって退学」



耕平は握った拳に力を入れ、黙って圭吾の話しを聞いていた。



「オレもしばらく荒れとった。でも考えたんや。晃は仕返しなんか望んでたか。晃のためにオレは何をするべきか」



少し間を開けた圭吾は再び話しはじめた。



「で、俺なりに出した結論が…」


「高校入り直してアイツの目標だった生徒会に入った」



耕平が圭吾の話をさらった。



「あぁ。せやけど生徒会入った理由はお前とは全然ちゃうぞ。お前のは負い目からやろ。そんなんで晃が喜んでると思うか?」


「晃はきっとオレ達に胸張って真っ直ぐ前見て生きてく事を望んでるぞ」



しばらく黙って考えた後、耕平は泣き笑いのような表情で言った。



「あー………アイツ、クソ真面目だからな」