「全クラスの出し物チェックしたんだけどここと、ここクラスもう一回検討し直してもらおうと思うんだ」



体育祭が終わればすぐに頭を切り替えなければならない。

もう学園祭がすぐそこまで迫っていた。

体育祭の思い出に浸ってる余裕は生徒会にはない。



「オマエがそう思うんならいんじゃね?」



しばらく資料を眺めて耕平が口を開いた。



「そうか、わかった」




「…今の会長の返事、テキトウっぽかったけど大丈夫なのかな?」


「確かに」



二人のやりとりを遠目で見ていた愛咲が呟き、それに対して歩が苦笑いを返す。



「会長は真琴さんと同じ意見だったから、ああ言ったんだと思いますよ」



同じく、二人のやり取りを耳で聞いていた奈々花が、優しい顔で愛咲に教えた。



「そうなんスか?」


「じゃあもし違う意見だったら?」


「自分の意見言ったんじゃないかしら」



信じられないという顔をする愛咲と歩に、遠まわしにですけどと付け加える。