「おれ…ハァハァ…決まってから結構本気で練習したのに…ハァハァ」


「ハァハァ…オレがいっちゃん早かったんちゃう?…ハァハァ」


「バーカ…ハァハァ…オレのが…ハァハァ…数秒早かったっつーの」


「…言ってろ…ハァハァ」



第二走者のリードの距離などの差があった為、次の走者にバトンが渡ったのはバラバラだったが、ラインを割ったのは4人ほぼ同時だった。


全力を出し切った4人はもう一歩も歩けないと、トラックの内側にへたり込んだ。



最終的に1位を勝ち取ったのは圭吾のクラスだったが、そんな事はどうでも良かった。

大事なのは同着になってしまった4人の勝負。



「んだよ…走り損かよ」



そう呟いた耕平の顔はどこか清々しい。