「悪かったな。ウチのと間違えた」


「いえ、こちらも遅れてきた事にかわりわないので」



謝罪する雄介に対して大人な対応をみせる奈々花。




-ガチャ-


再び開いたドアを今度は静かに見守る雄介。
同じ失敗は繰り返さない。



「いやぁ、遅れてもーた。スマン!!」



軽いノリで謝罪を述べながら入ってきた圭吾に、とうとう雄介の怒りが頂点に達する。



「遅刻すんなってあれ程念を押しただろッ!!」


「スマン、スマン。ついうっかり二度寝かましてもーた」


「うっかりじゃねーよ!!」


「まぁまぁ、全員揃った事だし顔合わせ始めようか」



雄介の怒りが爆発しかけた瞬間、真琴の仲裁が入った。

相変わらずの見事なタイミングに圭吾が心の中で感謝する。



「じゃあ取りあえず席につきましょうか」



奈々花が皆を座るように促し、それぞれの学校別に向かい合わせに座る。



「えーっと…」



先生もいないため仕切る人がいなく困惑する一同。



「わたしが仕切ろう」



そんな皆をみて真琴が名乗りを上げる。