「会長の家ってどっち方向?」

「逆だけど」

「はぁ?馬鹿ですか会長??」

「なにがだッ!」

「そんなべたなことして…今すぐ帰りなさい」

「べたって…お前、せっかく送ってやってんだぞ」

「そうだけどぉ」

会長に、かりを作るのが嫌だった。

ていうか、かりを作ること自体、

嫌いだし。

「んだよっ!!なんか言いたいことでもあんのかっ」

「別にぃー会長っていい人ですね。あ、ここ!」

「近いんだな・・」

「だからいいって言ったんですよ!」

「じゃあ、明日な。」

「あ、ちょ、待ってね…、はい」

ひゅッ・・・パシッ

「何だコレ?飴?」

「風邪引いたら困るしっ!んで、今回のお礼!」

んじゃ、ッといって部屋へ入ろうとした。

「・・・下川」

「へっ…」

振り向くと、真剣な顔をした会長が、

近づいてくる。

ちょっと怖い。

「な・・、んですか」

間を取って、会長は口を開いた。

「俺・下川のこと好きなんだ」

思いもよらぬ言葉に、一度硬直した。

は??今、すきって…

「じゃーな」

え、ちょまッ…エエエエエエエエ!!!??