その願いが、こうして今また1つ叶おうとしている。 私を抱き上げたまま歩く夏樹が目指す部屋が、ベッドルームだと分かっていても、もう足掻こうとは思わない。 やっぱりちょっとは怖いし恥ずかしいけど、 私の知らない夏樹を知ってより近づけると思うと、胸の奥が熱くなる。 心が夏樹を求めて焦れてるのが分かる。 泣きたくなんてないのに、じわじわと胸を焦がすように込み上げて来る涙がその証拠。 もうずっと…離さないで欲しい。 私を抱いたままベッドルームに入ると、ダブルベッドの上にそっと下ろされた。