そう思う間にも、もう玄関を出ようとしてるじゃんか!



「なっ夏樹!?アタシ着替え持ってない!」



そうだよ!夏樹の部屋に泊まるなら、着替え無いと困るし!



『ダメだ…もう待てねぇ。着替えならオレのやる。』



眉根を寄せて言った夏樹に、本気で鼻血が出そうになるっ!



もうダメだ…アタシダサいけど、もうダメー!!!
腕の震えが止まらない!!!



それでもいつも通り強引な夏樹に腕を引かれ、着替えも取らせて貰えずに、アタシ達は部屋を出た。



もう夜の11時を過ぎていたから、夜の空気は涼しくて、夏樹が着ていた上着をアタシにかけてくれたけど、



上着から夏樹の香りが漂って来て、



まるで夏樹に抱きしめられてるみたいで、



アタシは本気で失神寸前だった。