唇からアタシの頬に移動した指が、優しく頬を撫でるから、夏樹の手に頬ずりしたくなる。 『どうした?誰かに何か言われたか?』 …違うし。 夏樹はいつだってアタシを分かってくれてるって思ってたけど、やっぱ言わなきゃ伝わらないよね。 ちゃんと伝えないから、夏樹と離れてしまったあの時だって、すれ違い続けてしまったんだ。 もうすれ違いたくなんてない。 正直に伝えるには内容が死ぬほど恥ずかしいけれど…。 やっぱ言わなきゃダメ? 言わなきゃわかんない? 気づいてよ? この谷間見て気づいてよ。