本当は夏樹に抱かれたい…
でも、怖いのって…。
キスで濡れた唇を指でなぞる夏樹が、アタシの心もなぞっているようで、落ち着かなくなる。
もうダメ…、夏樹には勝てない。
「夏樹…アタシって魅力無い?」
泣きたくないけど、自信の無さが視界をぼやかせる。
『は?彩、何言ってんだ?』
夏樹は驚いて唇をなぞる指を止めた。
でも…、アタシはもっと触れていて欲しいと思ってしまう。
ビビってるくせに、アタシは欲張りなヤツだ。
アタシってこんなにも欲張りなヤツだったんだろうか?
だとしたら…全部夏樹のせいだ。
「アタシって、欲張りでイヤな女みたい。全部夏樹のせいだけど。」
もう何でも言ってやれ。



