One Way Love




さっき、ちゃんと話してもらって




やっと整理ができた。




さっきの沙紀ちゃんは、萩の



初恋のひと。




そして、女の子を





"泣くだけの都合よくもってく生物"




なんて思わせたひと。




すごく、すごく、悲惨な恋だったん




だろうな。




でも、見るからにはずば抜けて



可愛くて、スポーツができそうな




純粋そうな子だったんだけどな。




あんな子が元カノって聞いたら




自信なくしちゃうな。




「おい。ブス。」




『ヒェッ!』




「なんの声?」




『べっ…別に?』




「あの女、ずっとつきまとって

 お前としゃべろうと思ったら

 割り込んでくる。うぜぇ。」




『きっと好きなんだよ。』




「は?」




『美由、可愛いしよかったじゃん。』




「なんだよ、それ。」




『はやく、付き合ってあげなよ。』




「パンツのこと、まだ怒ってんのかよ。」




『そんなんじゃない!』