「んじゃ、中でパァッと祝いだな!」

「そうね、さぁ家の中にはいって入って」


中に入るのを迷ってると磨梛抖のお父さん翔蒼【しょうあ】さんが


「そんな顔してないで遠慮せず、中に入ろ?
美愛が張りきって料理たくさん作ったんだ」

「慄梛ちゃん、ほらほら中に入ってよ
磨梛抖、ボーッと突っ立てないで早く慄梛ちゃんをエスコートなさい」

「美愛さん、大丈夫です
自分で中に入ります」

「冗談よ、賢けんたちも早く入ってお祝いよ」


中に入ると凄い数の料理が並べられていて


「驚いたでしょ?これ全部食べ終わるまで
みんな帰さないんだから覚悟してよね」



と、美愛さんは笑った



「賢、磨咲飛になんて伝えたらこんなことになんだよ!?」

「いや、普通にとびきり美味しい料理が食べたいって美愛さんに伝えてって言っただけ」

「それを聞いたら美愛さんは喜んで作っちゃうもんね」

「さすが慄梛ちゃん♪俺、それを狙ったの」


その言葉に磨梛抖は"だよな…"って何処かに電話かけに行っちゃった


「はいはい、いつまでも立ってないで座って」

「あら、磨梛抖くんはどこに行ったの?」

「どこかに電話しに行ってる」

「しょうがないわね、うちの馬鹿息子は」

「はいはい、馬鹿息子でどうも、すいません」


戻ってきた磨梛抖は、わたしの横に座って


「莱汢さんたちに一緒に話そうな?」

「うん、ありがと」

「慄梛、ちょっと一緒にコンビニ行かない?」

「行く、ちょっと瑞梨と行ってくるね」


盛り上がってるお父さんたちには伝えずに瑞梨と家を出た


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