「つか、今何時!?」

「22時過ぎたよ」

「やべぇー碧兎この間のDVD貸してくんねっ?
鄒梨、家にDVD取りに行こぜ、期限今日までなんだよ」


慌てる健哉さんに対してキイさんは呆れ気味に


「じゃ、行こうか…」


そして、碧兎さんは


「真妃、DVDどこ?」

「家でしょ」

「マジか…」

「みんなで行こうよ」

「この人数じゃ、定員オーバーじゃね?」

「わたし、残って片付けとかしてます
それにまだ、寝てるみたいなので起きたら
連絡しますね!」



真妃さんも一緒に残るって言ってくれたけど
強引的に連れていかれた


静まり返ったお店の中を起こさないように気を遣いながら、掃除と洗い物を片付ける…



そばを通ったりすると磨梛抖が使ってた香水の香りが寝ている男の子から漂ってくる


一瞬、磨梛抖なんじゃないかってどこかで思ってて、ここに来るはずないのに、期待する
気持ちを思い浮かべては消してを繰り返すうちに時計の針は0時を過ぎていた…



冷えてきたお店の中で寝てたら風邪ひくんじゃないかと声をかけてみたけど、返答は当然なくてタオルケットをかけようとした時…


「…っと、逢えた…」


一瞬…、ほんとにギュッと抱きしめられる前の一瞬、見えた顔…






   磨 梛 抖 … ?




   なんで…?
なんで、ここにいるの?



もう、二度と逢うことなんてないって思ってたのに…


やっぱり、わたしには無理だったんだね…



.