――――慄梛―――――
真妃さんに頼まれて近くのお店まで買い物をした帰り道
「今日は一人なの?」
「はい♪」
この間のお店の奥さんにばったりと会った
いつ会っても、優しく微笑んで
「このあと、うちでお茶しない?
真妃ちゃん達も誘って」
「じゃ、帰ったら聞いてみます!」
「お返事待ってるね」
と、別れてお店へと急いだ
―――――――――――
―――――――――
―――――――
「本当に嬉しい」
「でも、りっちゃんに聞かれなくて良かった」
「絶対に言えないよ、言っちゃ駄目だよ」
と、言う話し声が耳に届いた…
言葉の意味が理解できなくて頭の中で
くるくると回って、いつもならすぐに開けるドアが、開くことができない…
だからと言ってその場を離れたいのに足が動いてくれない…
「てかさ、りっちゃん遅くねっ?」
「そうだよね、もう時期帰ってきてもいい頃なのにね」
「俺みてくるよ」
なんて、声まで聞こえてここにいたらまずいって思いながら、思わず
「わたしなんにも聞いてないです!!」
ドアが開いてないのに
叫んでしまった…
.

