――――慄梛―――――


「まだ、いたの?」

「あっ、りっちゃんお帰り~♪
今からりっちゃんここで夕飯にするよ」



両手に料理皿を持って真妃さんが登場し、
健哉さんとキイさんには一切触れずに



「さぁ、帰って来たところで始めるよ」



一瞬だけ表情を曇らせた様に見えたのはわたしの勘違いかも知れない…
真妃さんも碧兎さんもジュースを片手に



「「乾杯~♪」」

「ほらほら、健哉くんキイちゃん、りっちゃん今は今しかないんだから楽しんで!!」



笑って楽しそうだから…


みんなで夕飯を食べた日から真妃さんも、碧兎さんもお店を休みにして毎日色んなところに遊びに連れていってくれる…



「今日も楽しかったね♪
明日はどこ行こうか?」

「お店大丈夫ですか?」

「いいの、いいの♪
たまには息抜きしなきゃ、りっちゃん行きたいとこない?
好きなとこ言ってね?」

「何かあったんですか?
2人とも様子が変です」

「…っ、変なわけないよ
りっちゃんは出かけるの嫌い?」

「出かけるのは好きです、でも…」



碧兎さんは

“なら、気にしない今を楽しも?
今は今しかないってこの間、真妃が言ってたっしょ?”

って…





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