――――慄梛―――――


『お、お肉!!!…ダメ~食べないで!!…』



那沙の大きな寝言で目が覚めた…



「お肉って、どんな夢見てるの…」



時計を見ると4時を廻ったところだった…

2人を起こさないように部屋を出た














――――――――――――――――――――
―――――――



「あら、もう起きたの?」



お風呂上がりのお母さんの声がした



「目が覚めちゃって」

「ふふ、そうなの?紅茶でも飲む?」

「そうしようかな、お父さんは?」

「泊まり込みよ、あとすこしなんですって」

「そっか、あんまり無理しないでね?」

「莱汢は周り見えなくなるから心配よね」

「それはお母さんもでしょ?」






――――――――――――――――――――
―――――――



リビングでお母さんと紅茶を飲んでると…



「慄梛?」

「うん?」

「何かあった…?」

「えっ…?どうして…?」



お母さんの言葉に思わず驚いてしまう…



「慄梛の母親を何年やってると思ってるの?
表情とか違うことくらいすぐに解るわよ…」

「…お母さん……」

「でも忘れないで莱汢もわたしもいつでも慄梛の味方だから自分が決めたことを信じるのよ?
磨梛抖くんへの気持ちも知ってるんだから…」

「お母さん、ありがと」

「いーえ、自分の気持ちに素直によ?
谷沂広家の掟だからね」

「うん!」

「それで良しっ! 今日はデートなんでしょ?
デート楽しんで来てね♪
んー、そろそろ寝ようかな?」



そう言ってお母さんは寝室にいった…



――お父さんもお母さんもわたしの味方か…

磨梛抖への気持ちは…ずっと前から解ってる…

“磨梛抖が好き”…――





.